いつか買う日が来るとは思っていましたが、GMレンズを購入してしまいました。
ブログ更新が止まっている間の最大の買い物。
Sony純正レンズの最高峰。
各社のレンズを見渡してみても、現在最高の50mmのうちの一本に違いない“FE50mmF1.2GM”についてレビューしていきます。
スペック
今更な部分もあると思いますが、簡単にスペックをまとめます。
名称 | FE 50mm F1.2 GM |
型名 | SEL50F12GM |
焦点距離 | 50mm |
レンズ構成 | 10群14枚 |
開放/最小絞り | F1.2/F16 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.4m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
外形寸法(最大径x長さ) | φ87mm×108mm |
フィルター径 | 72mm |
質量 | 778g |

このレンズ最大の特徴は開放F1.2という驚愕の明るさ。
そしてその明るさをφ72mmのフィルター径、778gの筐体に詰め込んだということでしょう。
保有レンズの中ではSigma Art 85mm f1.4 DG DNがφ77mm 625gとフィルター径こそ大きいものの全体のサイズや重量感は一回り小さいように感じます。
サイズ感はαaマウントのVario-Sonnar T*24-70 f2.8 ZAが一番近いのではないでしょうか?
ただ、こちらの重量はほぼ1kgなのでそれと比較するとかなり軽いです。
(こんな古いレンズを使っている人は今は少ないでしょうが…)
また、最大撮影倍率は0.17倍と大口径レンズとしてはかなり被写体に近づいての撮影が可能です。
先ほど紹介したSigma Art 85mmは約0.12倍なので、一回り以上大きく被写体を捉えることができます。
50mmという焦点距離
標準域の単焦点レンズといえば35mmか50mmという鉄板の議論がありますが、2022年1月時点では自分にとっての標準は50mmです。
このレンズの購入を迷っている人で35mmか50mmどちらを選ぶか決めきれない人はほとんどいないと思いますが、標準=50mmにたどり着くまでの私のカメラ・レンズ遍歴を簡単に振り返ってみたいと思います。
カメラ始めました期
ボディ:CANON EOS M2
レンズ:EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
EF-M 22mm F2 STM
初めてカメラを買ったのはEOS M2のダブルズームキットでした。
勉強はしたので知識はあったものの、焦点距離毎に好き嫌いなんてものはありません。
ただ、換算約35mmの付属の単焦点のボケが美しく、明るい単焦点が使いやすく、今思い返すとこのころの標準は35mmでした。
“沼”見つけました期
ボディ:Pentax K-5iis
レンズ:SP AF 28-75 F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] Macro (Model A09)
HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited
smc Pentax-DA 50mmF1.8
祖父から譲ってもらったPentaxのAPS-Cに標準ズームと広角単焦点、標準単焦点を購入。
当時は目に映るすべてを画角の中に入れたがって、15mm(換算23mm)を購入しました。
結果からいうと、これが大失敗。
カメラを始めたばかりの自分にとって、 15mm(換算23mm) は広すぎるし50mm(換算75mm)は狭すぎました。
ただ、単焦点レンズの映りと”レンズを交換することで表現が大きく変化する“楽しみを覚えてしまいました。
好きな焦点距離探してみました期(フルサイズ始めました)
ボディ:Sony α7Ⅲ
レンズ:FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA
2.8/70-200G(SAL70200G)
Minolta AF 50mm f1.4
FE 35mm F1.8
Sigma Art 85mm f1.4 DG DN
FE 20mm f1.8G
FE 50mm f1.2GM
Sigma 28-70mm f2.8 DG DN
このほかにも妻のα6400で試したレンズなどもあり、順調に沼に落ちていったことがわかります。
新婚旅行に持っていくための24-240mm便利ズームから始まり、古めのAマウント大三元を祖父から譲り受けたところで“ズームできてしまう”という煩雑さを感じるようになりました。
同じく祖母の防湿庫からMinoltaの50mmを拝借してMFレンズとして使っていたのですが、微妙に画角が狭く、M2時代に初めて使った35mmこそが標準と信じてFE 35mm F1.8を購入。
とてもいいレンズだったのですが、これがどうもしっくりこない。
*気負った撮影では今でも使いこなせないです、気軽なスナップでは使いやすいのですが…
そんな自分の価値観を大きく変えたのがSigmaの85mmです。
友人の前撮り用に購入、これまで目に映る全てを画角の中に入れたがっていた自分に”切り取る”楽しさを教えてくれました。
その後、星景写真用に20mmを購入、このレンズもスチルでは中々使いこなせていませんが、動画では大活躍しています。
そして娘の誕生を機に、満を持して購入したのが今回のFE 50mm f1.2GMです。
85mmで切り取る楽しさを覚えた自分にとって、50mmは切り取ることもできるし入れ込むこともできす。
正に自分にとっての標準レンズだということを痛感しています。
もちろんGMの素晴らしい描写性能のおかげという面も多大にあるのですが、自分の意思を持って画面を整理できることがとても楽しいレンズです。
35mm、85mmという50mmを挟んで隣接する2つの単焦点を使ったことで初めて50mmを使いこなせるようになったと思います。
ここで紹介したレンズたちは基本的に記事を書いているので、是非リンクから読んでください!
*最後のSigma28-70は後日記事を書こうと思います。
作例
なかなか在庫が回復しなかったこのレンズ、9月下旬にソニーストアに予約を入れて、10月下旬に手元にやってきました。
身重の妻が寝ている早朝に徐々に秋が深まる京都へ足しげく通い、開放F1.2の魅力へ取りつかれていきました。

ほぼファーストカットがこの写真。
明け方、ほぼ真っ暗な状態で策を乗り越えるように手を挙げてシャッターを切りました。
そんな光が少ないシチュエーションでもf/1.2ならSS1/50でシャッターが切れて、手振れもしない。
夜から朝へ変化していく空のグラデーションも物凄くきれいに描写してくれます。

一転、絞り込んだシチュエーション。
光条もいい感じ、シャドウになっている阪急電車の金属の質感も地面のアスファルトの質感もしっかりと表現されています。

東福寺の紅葉もグラデーションがめちゃくちゃ綺麗。
こういう眼前一面に広がる絶景は広角が使いたくなりますが、意外と50mmが一番嵌る焦点距離だと思います。
広角だとアクセントになる被写体やモチーフを探すのが難しいですが、標準ならアクセント(この写真は臥雲橋)が自然なサイズで収まります。

時計、そして天井の高さを強調することも広角じゃなくても自然な範囲で表現できます。
クールな大阪駅に差し込む柔らかい夕陽が印象的なシーンで狙い通りの色を表現してくれました。

そもそも娘を撮りたくて買ったレンズ、光が不足しがちな室内では開放F1.2の明るさはとてもありがたい。
お散歩に持ち出すには少し重いのが玉に瑕…
ただ、それでも持ち出したくなる移りの魅力があるレンズです。







最後に
50mmの単焦点はバリエーションも多く、その中でも最も高価なこのレンズを購入するには本当に勇気が必要でした。
ただ、この描写を味わってしまうともう抜け出せない。
純正ではSEL50F18やSEL55F18Z,SEL50F25Gが選択肢に上がりますし、SIGMAの45mm F2.8 DG DNやContemporary 65mm F2 DG DNも気になる存在だと思います。
どのレンズを買ったとしても”GMはどうなんだろう?”という興味は無くならないだろうし、先に購入してしまうのが一番安上がりかもしれません。
(GM持っていても65mm F2 DG DNが気になってしまうのは不治の病)
少しでも元を取れるように、これから沢山シャッターを切っていこうと思います。
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