【富山食紀行】“鮨人”で本当に旨い鮨を食べた話

GOURMET

北陸といえば海の幸。折角北陸に赴任して、気軽に富山湾の豊かな海の恵みを満喫できる環境に身を置いたにも関わらず、廻らない寿司はハードルが高くチャレンジの機会を逸し続けてきました。

そこで、先日友人がこちらに遊びにきてくれたのを好機としてずっと行きたかった富山の名店に足を運びました。

そのお店は“鮨人(すしじん)”。寿司好きが高じて、独学で寿司職人として身を立てた異色の経歴を持つ大将が切り盛りする富山屈指の有名店です。

今回お邪魔したのは2回制ランチの12時〜の時間帯、ひまわり畑での前撮りを終えた後に訪問させていただきました。

ランチ(¥5000)

お店の外観は普通の古民家風、客席はカウンター12席と囲炉裏を囲むようなデザインの座敷が10席ほど。個性的な大将の含蓄のあるお話を伺いたかったのですが、予約出遅れたこともあり座敷席に。大将の話は聞けませんでしたが、久々の友人との再会に会話が弾み結果オーライ。

甘えびと白えび

まず一皿目は富山らしく白えびと甘えび。どちらもねっとりとした重厚な旨味、特に白えびはいい意味でいつまでも口の中に風合いが残るような強烈な個性。
鮨人の特徴でもある、赤酢のシャリの爽やかさで後味は余韻を残しながら爽やかに消えていきます。

シャリが見えない!

2皿目はバラちらし。本来は蟹の身が散らしてありますが、蟹アレルギーなので食べられず…命を削ってでも食べたかった。こちらも非常に旨味が重厚。イクラってこんなに味があったっけ?と思うほど。

ぼかし過ぎてしまった…

続いて握りでホウボウとアジ。絞りを開け過ぎてホウボウがボケてしまってる…先日のLe Pont de Cielでも頂きましたが、ホウボウはかなり好きな白身魚かもしれません。淡白さと旨味のバランスがとても良い。

続いての茶碗蒸しは一切具はなく、富山の名水でとった出汁と卵、そして梅の餡掛けでいただきます。茶碗蒸しの椎茸や鶏肉が大好物で、具材がないと聞いた時はガッカリしたのが正直な気持ちです。しかし、出汁の優しさと梅の餡掛けの爽やかさがすっきりと次の一皿を待つ気持ちにさせてくれました。

ヤリイカとサクラマス

このヤリイカはこの時点でMVP。細やかに入れられた包丁でイカとは思えないほど柔らかな食感。白えびを超える濃厚さでした。また、サクラマスも味の強い魚だけあって口に入れる前から濃厚な旨味を感じられます。と言うか、包丁綺麗過ぎません?

鰯とノドグロの串

完全無敵の今回MVP。正直、鰯の印象が消し飛ぶほどノドグロの炙りが絶品。語彙力が足りなくて美味しさを伝えられません。ただ、魚とは信じられないくらいジューシーでインパクトが強い。とにかく是非食べてみて欲しい逸品です。

中トロ(かな?)

漬けマグロ、ノドグロの次に出すにはコイツしかいないというチョイス。ノドグロに負けない肉厚な食べ応えと旨味。こちらも魚とは思えないくらいの満足感。やっぱり包丁綺麗過ぎません?

写真が下手すぎる…

椀物として登場したのが“かぶす汁”。氷見の番屋などでよく見る贅沢に魚介から出汁をとった具沢山の味噌汁といった印象ですが、こちらは一線を画しています。茶碗蒸しを同様一切の具はなく、出汁の魚の旨味直球勝負。ほのかな塩味と苦味、そして複雑すぎる旨味の織りなす大人の味でした。

全体的に白いお皿が印象的。

締めは煮穴子。もう、口に入れた瞬間なくなるようなフワフワ食感。今までの醤油ベースと赤酢シャリの組み合わせとは打って変わって、甘めのタレと赤酢のコンビネーション。どちらの味でも美味しくいただける赤酢の懐の深さを感じる一品でした。

灼熱の撮影の前の一時の癒し

デザートは塩アイスの最中。爽やかかつ香ばしい、熱々のお茶が非常によく合いました。

最後に

入れ替え制のため、1時間強でランチタイムは終了。それでも記憶にはっきりと焼き付くような味でした。富山赴任のうちに是非もう一度足を運びたい。

お寿司を食べるとどうしても醤油辛くて喉が渇くことが多いのですが、鮨人では一切そう言うことはありませんでした。このお店の特徴である砂糖を使わない、赤酢だけのシャリと寿司に付けるための醤油を用意しないこだわりの利点をこんなところでも感じることができました。

富山の食材、ほんと美味しいわ…

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